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2016年3月22日

暑い!マレーシア、シンガポール 熱中症対策は出来ていますか? 医学的・科学的に対策を考える

半島マレーシアでは3月中旬より気温がところにより35℃を超す日が続いており、体感温度は40℃を越えています。
この熱波は来月まで収まらないとみられており、政府より正午から午後3時までは室内で過ごすように注意喚起を行っています。


南国マレーシアですが、実は日本の夏よりも過ごしやすく、実際にマレーシアから日本へ夏に訪れ、「暑い」と汗だくになるマレーシア人も多いです。



日本でも近年、夏場に熱中症で救急搬送される方が増えており、その対策については様々なメディアを通じて報じられているので、多くの方がマレーシアにおいても日常的に対策をされていると思われますが、今回は簡単におさらいを。

熱中症とは

  • 暑い環境に置かれたとき、体温を下げようと
  • 血液が体表近くに集まるため、全身の循環血液が不足する→血圧の低下
  • 汗をかいて熱を蒸散させるため、全身の水分が欠乏する→脱水→頭痛・悪心・嘔吐
  • 汗をかくとき、一緒に塩分(電解質)が放出されるため、血液中の電解質バランスが崩れる→筋肉のけいれん・足がつる
      ↓
  • さらにこれらの症状を放置すると、身体の体温調節ができなくなる→高熱→身体の様々な機能異常、命の危機
熱中症に関する一般的情報は大塚製薬のHPがわかりやすくまとまっています。
http://www.otsuka.co.jp/health_illness/heatdisorder/

ポイントは熱中症を防ぐために体温が上がらないような服装、環境づくりと水分補給、また、軽症のうちに自覚し、それ以上状態を悪化させないように涼しいところに移動したり、水分や電解質をしっかり補給することです。

水分補給は利尿作用のあるカフェイン含有の飲み物(コーヒー、紅茶、コーラなど)やアルコールは逆に体内の水分を余分に体外に排泄してしまうため、熱中症対策にはならないと言われています。
南国マレーシア(もちろんほかの地域でも)で最も水分補給に適していると思われるのは、食中毒時の脱水対策でも触れましたが、ココナッツウォーター(腎臓の悪い方を除く)です。
電解質も豊富、糖分も控えめです。是非ご活用ください~~。


そして、以下のような持病・生活習慣のある方は熱中症により、思わぬ病状の悪化や二次的な病態を引き起こす可能性があります


  • 狭心症、不整脈のある方、過去に脳梗塞・心筋梗塞を経験されている方
  • 暑い中スポーツをされる方
  • タバコを吸われる方、深酒される方
  • 糖尿病薬SGLT阻害剤を服用されている方

  →脳梗塞・心筋梗塞のおそれ

日本でも、冬に多いイメージのある脳梗塞も実は夏場の方が発症率が高く、汗による血管中の水分の減少が原因とされています。

つまり、南国マレーシアにおいては1年を通して、水分をしっかりとり、脳梗塞・心筋梗塞に注意を払う必要があります。

また、この脳梗塞・心筋梗塞は高齢者だけの問題ではなく、若い世代においても、スポーツ等で大量に汗をかいた後は注意が必要です。
過去にJリーガーが夏場の練習中に心筋梗塞で亡くなったのも記憶に新しいところです。
特に複数名で行うスポーツの場合は周囲に気を使い、自分のペースで水分補給を行うのを遠慮してしまうと、脱水リスクが高まります。

不整脈がある方で、血栓を溶かす薬を飲まれている方もいらっしゃるかと思いますが、不整脈は循環血液のよどみを起こしやすく、そのよどみで血栓が形成されて、心筋梗塞を発症する可能性が高いです。

タバコも脳梗塞や心筋梗塞のリスクファクターです。タバコにより血管が収縮するため、血液の流れがスムーズではなくなり、詰まる原因になります。
アルコール類はその利尿作用により、結果的に脱水となります。
深酒してしまうと、そのまま寝てしまうため、脱水による身体のSOSに気づかずに長時間過ごしてしまい、結果として梗塞リスクが高まります。



  • 腎臓の悪い方

  →病態の悪化

腎臓の悪い方は日常より厳格に塩分・水分の摂取量を管理されています。
これが汗を大量にかくことで血管中の水分の減少、塩分の放出が起こりますが、一般に言われている量の水分、塩分を一気に摂取してしまうと、腎臓に負担をかけることになります。

腎機能の度合いにもよりますが、基本的にはこまめに少量ずつ水分・塩分を摂取するのが望ましいと言われています。



  • 降圧剤を服用されている方(高血圧・心不全・腎臓病など)

  →脱水の進行、過度の降圧、体温調節不良

降圧剤の中でも、特に利尿剤を服用されている場合は普段から血管の中の水分を尿として排泄することで、血管にかかる圧力を下げています。この時に血液中のナトリウムも一緒に排泄してしまうため、さらに汗で水分と塩分を体外に出してしてしまうと、脱水が進行しやすくなります。

また、それ以外の降圧剤でも、脱水により本来は低下した血圧を上げる方向に身体は反応するのですが、それを薬で押さえているため、過度の血圧低下が起こる可能性があります。

ベータ遮断剤(ブロッカー)は発汗を抑える働きがあり、心拍数も抑えるため、熱の発散能力が低くなるため、熱中症を進行させる可能性があります。


  • 糖尿病のある方
  • スポーツドリンク・ジュースを大量に飲む

  →脱水の進行、糖質摂取過多による血糖コントロール不良

まず、スポーツドリンクは普通のジュースと同じくらい糖質を含んでいるため、糖尿病のある方は摂取量を考慮しないと、血糖値の上昇につながります。

糖尿病で、血糖コントロールがうまくいってない場合、血液中の高血糖を希釈しようと、血管中に水分が集まり、多量の尿として排泄されることになります。
さらに汗を大量にかくことで、体内の水分は排泄されてしまい、脱水が進行します。
糖尿病の治療中の方は血糖コントロールを適切に行う必要があります。

また、新しいタイプの糖尿病薬、SGLT阻害剤(商品名:スーグラ、フォシーガなど)は腎臓で糖分を水分と一緒に排泄する働きの薬で、脱水を誘引しやすい薬です。
服用中の方は水分補給を十分に行ってください。

一方、糖尿病でない方でも、ペットボトル症候群と言われる症状に注意する必要があります。
大量のジュース・スポーツドリンクを摂取することで、急性の高血糖状態になり、のどが渇くためさらにジュースを飲むことを繰り返すと遂にはインスリンの分泌が追い付かなくなります。

通常なら生命維持に必要なエネルギーはインスリンの助けによって糖質からつくられるのですが、インスリンが枯渇した状態では脂肪から多くのエネルギーを切り出すことになります。
このとき産生されるのがケトン体で、インスリン枯渇という非常事態に大量のケトン体が産生され体内に溜まることでケトアシドーシスという重篤な病態(昏睡など)を引き起こします。


  • 抗精神病薬、抗うつ剤などを服用されている方、中断された方

  →発汗抑制による熱中症の進行、熱中症に類似した重篤な副作用である悪性症候群の可能性

抗精神病薬や抗うつ剤等で抗コリン作用のある薬は発汗抑制作用を有しているため熱中症を進行させます。

また、これらの薬は「悪性症候群」と言われる、重篤な熱中症(熱射病)に類似したきわめて重篤な副作用を発症することがあるため、熱中症の様な症状が出現した際は、早急に病院を受診する必要があります。



過信は禁物。
暑いマレーシアでも、賢く暑さを乗り切りましょう。


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