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2016年1月21日

微生物による食中毒とその対策について

食中毒は日本でもしばしば起こりますが、ここは日々暑いマレーシア。
微生物の繁殖も日本とは比べ物になりません。
致死的な食中毒になってしまう確率は高くないとはいえ、体調不良で寝込んでしまう事態は時間・体力・お金(治療費)を奪います。

油断せず、日々対策を行うことで、 リスク軽減につながります。


微生物による食中毒にはいくつかのタイプがあります。
このタイプによって対策が大きく異なります。

食中毒の分類


  1. 細菌性-感染型
    細菌に汚染された食品を摂取し、その菌が体内で増殖。菌が直接人間の細胞(胃腸など)に悪さをすることで、症状が発生。発症まで時間がかかることが多い。
  2. 細菌性-毒素型
    食品中で増殖した菌が毒素を出し、その毒素を摂取することで、症状が発生。摂取から発症までの時間が短い。
  3. 細菌性-生体内毒素型
    細菌汚染された食品を摂取し、菌が体内に入ってから毒素を産生し、その毒素により症状が発生。
  4. ウィルス性
    食品中に蓄積されたウィルスを摂取し、体内で増殖。ウィルスが直接人間の細胞(胃腸など)に悪さをすることで、症状が発生。発症まで時間がかかることが多い。
  5. 芽胞形成(普通は分類に加えないのですが、対応が違うので敢えて加えました)
    加熱後も芽胞(バリア)を形成して残存し、摂取後体内で増殖し細菌性/生体内毒素型として症状が発生

どんな食品が原因になりやすいのか?


  • 細菌型
    サルモネラ菌:鶏肉・卵
    カンピロバクター:肉類
    腸炎ビブリオ:魚介類
    病原性大腸菌:動物の腸管(解体・加工時等に周囲に広がる)
  • 毒素型
    黄色ブドウ球菌:人の手指(傷口)
  • 生体内毒素型
    セレウス菌:保存した食品(芽胞形成)
    ウェルシュ菌:保存した食品(芽胞形成)
  • ウィルス性
    ノロウィルス:牡蠣など二枚貝、保菌者(人間)の糞便・吐物
    A型肝炎ウィルス(あまり分類上「食中毒」に加えませんが):牡蠣など二枚貝、保菌者(人間)の糞便

共通の対策


  • 菌を付着・増殖させない(よく洗う、冷所保存、手指消毒、長時間保存しない)
  • 菌の不着率の高い肉・魚・卵と生で食べるものは分けて保管・輸送・接触する
  • 土いじり、ペットとの接触によっても菌が付着する可能性があるため、手洗い・手指消毒は忘れずに
  • 小児・高齢者・体調不良時は少量の菌・ウィルスでも発症しやすく、重症化しやすいので特に注意を払う
  • 家庭内での二次感染を防ぐため、吐物の処理には十分注意を払い、手洗い・消毒を励行する

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タイプ別の対策


  • 細菌型
    加熱処理で死滅する菌がほとんどなので、火を通して食べる
  • 毒素型
    加熱して菌が死滅しても、既に産生された毒素は残ることが多いので、菌が増殖した形跡があるものは食べない
  • 芽胞形成
    加熱したからと安心せず、調理後速やかに食べる
  • ウィルス性
    加熱処理で死滅。酸では死なないので、生牡蠣などはレモンをかけてもウィルス対策にはならない 

治療


抗生剤・抗菌剤が有効な菌種については抗生剤・抗菌剤を使用しますが、海外は抗生剤の使用が厳格である場合が多く、菌が同定されるまで抗生剤を使用しないこともあります。
また、サルモネラ菌、ウィルスについては有効な抗生剤・抗菌剤が無いため症状が治まるのを対症療法でしのぐことになります(日本ではサルモネラ菌にはニューキノロン系が有効とされていますが、海外では耐性菌出現により抗生剤の有効性が低いと考えられているため、積極的に使用されません)。

水分・電解質補給


発熱・嘔吐・下痢により想像以上に体内が脱水状態になります。
緊急性が高い場合は病院での点滴が最も効率的ですが、自宅で対応する場合は、経口補水液(ORS)、スポーツドリンク、ココナッツウォーターなどの電解質(ナトリウムやカリウムなどのイオン)を含む水分摂取をしっかり行います。
嘔吐下痢等により、脱水となった場合、ブドウ糖を一緒に摂取すると効率よく水・電解質を吸収することができます。

合理的に水分・電解質が補給できるのがWHOレシピのORSです。
医療事情の悪い発展途上国で食中毒等が多発した場合は、病院ですぐ点滴、とはいかないため、自宅で点滴の代用となる治療を行うため考案されたレシピです。

日本では割と最近、このORSレシピをベースにやっと市販の経口補水液が市販されるようになった(例:OS-1)ところですが、海外では普通にドラッグストアの棚に粉末(飲むときに水に溶かす)がひっそり並んでいます。


マレーシアのイオンのウェルネスコーナーで見つけたORS
水に溶かして飲みます。
ちょっと味が悪くて、我慢して飲む、という感じです。


 各種ドリンクの成分の比較をまとめました。
参考:
1)http://dr-martins.com/wp-content/uploads/2015/07/1982_electrolytes-sugar-calories-osmolarity-and-ph-of-beverages-and-coconut-water.pdf
2)http://hobab.fc2web.com/sub4-ORS.htm

浸透圧(≒溶けているすべての物質の濃度)は嘔吐下痢の脱水時は体液の浸透圧285mOsm/kgよりも低い方が好ましいとされており、ポカリスエットや100PLUSは糖質が多いため糖質によって浸透圧が高くなっており、浸透圧の面からは希釈して飲んだほうが良いけれど、そうすると肝心の電解質が不足気味に。
自然のココナッツウォーターは電解質も豊富で比較的体液の浸透圧に近いため、手に入りやすい南国では便利(ちょっと重たいけれど)。
ココナッツウォーターには電解質・糖質以外にも身体に良い様々な成分(アミノ酸や微量元素など)が含まれているので、そういった意味でもお勧めの飲み物です。
(加工されたココナッツウォーターは砂糖が添加されていることがあるので、パッケージの表記を確認の上、ご利用ください)

補足:日本ではお腹を壊したらおかゆ、ですが、マレーシアですぐおかゆが作れない場合、温かいbarley(バーリー)のジュースはどうでしょうか?
barleyは大麦の煮汁にお砂糖を加えたもので、大麦はお米と同じくらい栄養価の高い穀類ですので、重湯感覚でどうぞ。 
(食あたり中は衛生状態が安心できるお店で購入してくださいね)
 

    生卵について


    そして、生・半熟で食べるとおいしい卵。
    海外で暮らす日本人としては食べたいけどサルモネラ菌による食中毒がとても気になります!
    海外では一般に出荷時に卵の殻の洗浄は行われていないため、殻は日常的に汚染されている可能性が高いです。
    一方、中身については一部の鶏で病的に菌を持っている場合に内部にまで菌が含まれてしまう場合がありますが、その菌数は非常に少なく、産卵時には繁殖しづらい白身にしか存在していないと言われています。
    ただし、産卵より日が経ち、黄身の薄皮が破れてしまうと菌の繁殖しやすい黄身に菌が移行してしまうため、卵内部の菌数は激増します。

    これらを踏まえ、個人的にはお勧めしませんが、 どうしても生で食べたい!場合は以下の点に十分注意を払う必要があります。
    • できるだけ新鮮で、産卵~販売までの管理がしっかりしているお店で購入する
    • 家では冷蔵庫で保管する
    • 食べる直前に冷蔵庫から取り出し、殻をよく洗い、水気をふき取る
    • 卵は食器の縁ではないところで割る
    • 黄身が破れている卵は生では食べない
    • 割った後(特に白身と黄身を攪拌した後)はすぐに食べる
    • いつ割ったか分からない卵は生では食べない
    暑い南国でも健康に留意して元気にお過ごしください♪


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